スズキ図書館

最近読んだ本の内容を紹介する書評ブログです。ビジネス書が中心です。これから皆様が読む本を選ぶ際の参考になれば幸いです。

【書評】「マンガ ビジネスモデル全史 新世代篇」三谷宏治 (著)

こんばんは、スズキです。
今日は「マンガ ビジネスモデル全史 新世紀篇史三谷宏治 (著)を紹介します。

概要

 25000年前にネアンデルタール人は滅びホモサピエンスが生き残った、その差はなぜか?その有力な2説が「分業」と「試行錯誤」です。ネアンデルタール人は分業をせず老若男女の誰もが狩りに出かけ、またそれまでの経験や知識を大事にし新しい工夫をしなかった。ホモサピエンスは分業し、新しい道具を次々と作り出すことによって急激な変化に対応して生き残ってきた。我々は元来そういう生き物です。
 大きな社会的変化やイノベーションに対し、商品、サービス、組織、事業、そして自分を変えていくのは私たちヒト。試行錯誤が重視される時代において、どんなリーダーシップ、組織文化が必要とされるのか、マンガを通してビジネスモデル革新に関する様々なテーマを俯瞰し概要をつかめる一冊です。

著者

Amazonより引用】
三谷宏治。K.I.T. (金沢工業大学)虎ノ門大学院 主任教授。早稲田大学ビジネススクールグロービス経営大学院女子栄養大学客員教授。1964 年大阪生まれ、福井育ち。東京大学理学部物理学科卒業、INSEAD MBA修了。BCG勤務ののち、アクセンチュア勤務。03 ~ 06年にはアクセンチュア戦略グループの統括を務める。現在、社会人教育の他、小中高校・大学で子ども・保護者・教員向け教育を中心に活動中。放課後NPO アフタースクール・NPO 法人3keys 理事、永平寺ふるさと大使。著書に、『CRM 』(共著)『観想力』(東洋経済新報社)、『一瞬で大切なことを伝える技術』(かんき出版)『「ハカる」力』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)『戦略読書』(ダイヤモンド社)『お手伝い至上主義でいこう! 』(プレジデント社)などがある。

私の学び

・本書で例にあがったフェイスブック、アリババ、任天堂ソニーなどのケースは「最初からかっちりとしたビジネスモデルがあって事業が立ち上った」というより、「とりあえずやってみたらうまくいかないこともありつつ、ビジネスモデルを改善していった」ケースです。最新の経営戦略では高速試行錯誤が唯一の成功条件としつつも、ビジネスモデルを試行錯誤の手前の構想段階で一度叩き、一定の足切りをすることが無駄な試行錯誤を避けるためには必要なのだと思います。

【本書より引用(クレイトン・クリステンセン「イノベーターのDNA」)】
・創造性あふれるビジネスリーダーの特長 5つの発見力(Five Discovery Skiils)
 ①関連付ける力(Associating)
  異分野から生じた一見無関係に見える疑問や問題、アイディアをうまく結びつける力
 ②質問力(Questioning)
  前提を覆そうとしたり、正反対の方向に振ったりすることでモノゴトの探求につながる質問をする力
 ③観察力(Observing)
  一般的な現象や潜在顧客の行動を詳しく調べることで非凡なビジネスアイディアを生み出す力
 ④実験力(Experimenting)
  学習のためには失敗しても構わないと考え、インタラクティブな実験を設計して予想外の反応を引き起こす力
 ⑤ネットワーク力(Networking)
  自分の知識の幅を広げるために、自分とは異なるアイディアや視点の持ち主たちに会う力


・イノベイティブな組織に必要なこ
 ①人材:発見力に優れたリーダーのもとに、発見力に優れた人材を多く抱え活用している
 ②プロセス:発見力が促され、発見力の高い人材が採用、評価されるプロセスになっている
 ③哲学:全員がリスクをとれるよう「心理的安全性」のある場を作り少人数のチームで回す