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最近読んだ本の内容を紹介する書評ブログです。ビジネス書が中心です。これから皆様が読む本を選ぶ際の参考になれば幸いです。

【書評】「マネジメント - 基本と原則」P.F.ドラッカー(著)

こんばんは、スズキです。
今日は「マネジメント - 基本と原則」P.F.ドラッカー(著)を紹介します。

概要

 著者であるドラッカー氏は20世紀中盤以降、自動車メーカー、大手鉄道会社、病院、政府機関、企業に対して多くのコンサルティング、助言をしてきました。その経験のなかで彼は「マネジメントには基本と原則がある」「基本と原則は状況に応じて適用する必要がある」「基本と原則を外れるものはすべからく衰退する」ということを学びました。エッセンシャル版である本書では、彼が学んだマネジメントのその基本、原則とはなにか?また、マネージャーのありたき姿はなにか?要点を抜粋し紹介しています。

著者

Amazonより引用】
・P.F.ドラッカー(Peter F. Drucker)。ビジネス界にもっとも影響力をもつ思想家として知られる。東西冷戦の終結、転換期の到来、社会の高齢化をいちはやく知らせるとともに、「分権化」「目標管理」「経営戦略」「民営化」「顧客第一」「情報化」「知識労働者」「ABC会計」「ベンチマーキング」「コアコンピタンス」など、おもなマネジメントの理念と手法を考案し、発展させてきた。<P> 1909年、ウィーンに生まれる。フランクフルト大学卒。米国クレアモント大学院大学教授。主な著書に、『現代の経営』『経営者の条件』『断絶の時代』『マネジメント』『イノベーション起業家精神』『新しい現実』『ポスト資本主義社会』『明日を支配するもの』など多数ある。2000年刊行の「はじめて読むドラッカー」三部作、『プロフェッショナルの条件』『チェンジ・リーダーの条件』『イノベーターの条件』が世界中で大反響を呼ぶ。

私の学び

 事業とマネジメント、マネージャの役割、顧客の創造、自己管理、マネジメントの戦略など、本書で紹介されている考え方や言葉自体は、後の世で出てきたビジネス書や実際のビジネスの場でもよく引用、活用されており、比較的見覚え、聞き馴染みのある要素も少なくありませんでした。原著が1974年に刊行され、それが多くのビジネスシーンに普及している事実からも、それだけドラッカー氏がビジネス界に影響力を持った思想家でもあったことの現れなのだと思います。

 一人の個人、社会人、会社員、経営者として、マネージャの役割である管理的活動と事業家的活動を自らのケースにおいて、どのように言語化し実践できているか?確かめることを定期的な目標管理として実践することが、マネジメントのひとつの実践と言えるのでしょう。

【本書より引用】
・マネジメントには、①自らの組織の特有の使命を果たす、②仕事を通じて働く人たちを活かす、③社会の問題について貢献する、の3つの役目がある。

 

・企業の目的は顧客の創造である。したがって企業は二つの、そして二つだけの基本的な機能を持つ
 ①マーケティング(顧客の欲求からスタートする)
 ②イノベーション(新しい満足を生み出す)

 

・顧客はだれか?顧客はどこにいるのか?何を買うか?いつ問うべきか?我々の事業はなんであるべきか?我々の事業のうち何を捨てるか?

 

・公的機関の顧客は、本当の意味での顧客ではない。むしろ拠出者である。この種のサービス機関が生み出すものは、欲求の充足ではない。必要の充足である。

 

・働き甲斐を与えるには、仕事そのものに責任を持たせなければならない。そのためには①生産的な仕事②フィードバック情報③継続学習が不可欠である。

 

・専門家が自らのアウトプットをほかの人間の仕事と統合するうえで頼りにすべき者がマネージャである。専門家が効果的であるためにはマネージャを必要とする。

 

・マネージャの第一の役割は部分の和より大きな全体、すなわち投入した資源の総和よりも大きなものを生み出す生産体を創造することである。第2の役割は、そのあらゆる決定と行動において、直ちに必要とされるものと遠い将来必要とされるものを調和させていくことである。

 

・小企業は戦略を必要とする。中企業は持てる資源のすべてをあげて成功の基盤となっている分野を確保することが要求される。大企業は原則として小さな事業、成功しても中くらいの事業にさえ育ちそうにないものには手を出すべきではない。だが、大企業といえども、革新を行うには冒険的な事業には手をつけなければならない。新しいものは常に小さなものから始まる。

 

・成長そのものを目標にすることはまちがいである。大きくなること自体に価値はない。良い企業になることが正しい目標である。成長そのものは虚栄でしかない。

 

・既存事業について発すべき問いは「この活動は必要か?なくてもすむか?」であり、答えが必要であるならば次に発すべき問いは「必要最小限の支援はどれだけであるか?」である。これに対して、イノベーションについて発すべき第一の問、しかも最も重要な問は「これは正しい機会か?」である。答えがしかりであるならば第二の問いは「この段階において注ぎ込むことができる最大限の優れた人材と資源はどれだけあるか?」である。