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【書評】「誰もが人を動かせる! あなたの人生を変えるリーダーシップ革命」森岡毅 (著)

こんばんは、スズキです。
今日は「誰もが人を動かせる! あなたの人生を変えるリーダーシップ革命」森岡毅 (著)を紹介します。

概要

 物語やゲームの主人公のように、特殊な運命や能力を持った特別な人しかリーダーにはなれない。そんな思い込みが刷り込まれている方は少なくないのではないでしょうか。

 本書ではリーダーシップを「後天的に誰でもある経験を積むことによって意識的に成長させられる能力」であると説きます。リーダーシップにはどういったあり方があるのか、どのように身に付けてゆけばよいのか。ユニバーサルスタジオジャパンを復活させた史上最強のマーケターとしてメディアでもよく紹介される森岡毅氏が、自分自身の経験、また仕事で出会った信頼するパートナーをヒントに、リーダーシップを身に付けるための道筋を綴った一冊です。

著者

Amazonより引用】
森岡毅。株式会社刀 代表取締役CEO。戦略家・マーケター。高等数学を用いた独自の戦略理論、革新的なアイデアを生み出すノウハウ、マーケティング理論等、一連の暗黙知であったマーケティングノウハウを形式知化し「森岡メソッド」を開発。経営危機にあったUSJに導入し、僅か数年で劇的に経営再建した。1972年生まれ。神戸大学経営学部卒業後、1996年P&G入社。ブランドマネージャーとして日本ヴィダルサスーンの黄金期を築いた後、2004年P&G世界本社(米国シンシナティ)へ転籍、北米パンテーンのブランドマネージャー、ヘアケアカテゴリー アソシエイトマーケティングディレクター、ウエラジャパン副代表を経て、2010年にUSJ入社。2012年、同社CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)、執行役員マーケティング本部長。USJ再建の使命完了後、2017年、マーケティング精鋭集団「株式会社刀」を設立。マーケティングとエンターテイメントで日本を元気に」という大義の下、数々のプロジェクトを推進。刀の精鋭チームを率いて、USJ時代に断念した沖縄テーマパーク構想に再び着手し注目を集める。また、破綻した旧グリーンピア三木(現ネスタリゾート神戸)を僅か1年でV字回復させるなど、早くも抜群の実績を上げている。

私の学び

 リーダーシップを「未来を描く力」と捉える書籍は多くありましたが、リーダーシップを「欲」と捉える森岡氏の見方はユニークで、確かにその「欲」が薄いほど人は仕事に対してコミットできずモチベーションを失ってゆきます。

 本書では、いわゆる欲がない世代と言われる若者たちを「欲を持たないことでリスクや苦痛を避けているに過ぎない」とも断じており、いかに正しい欲を持つか(あるべき欲を明瞭に自覚するか)の意義と道筋を説いています。自分の描こうとする未来を3wantsモデルと照らし合わせながら、自分が本気になれる小さな欲を見つけ出し、そして周りを巻き込んでゆくこと。それがリーダーシップの出発点になるのだと思います。

【本書より引用】
・リーダーシップの強弱は、才能よりもその土台となっている欲の強さで決まっています。


ビジネスパーソンの能力の特長は次の3つに分けられます。
 ①T型(think)思考力を強みとする人
 ②C型(communication)伝える力や人と繋がる力を強みとする人
 ③L型(leadership)人々を統率して動かく力を強みとする人


・T属性の人が優れたリーダーになるためには、そのリスク回避思考の重力から、自分自身の決断力と行動力で意識的に脱出できるようになる必要があります。まず、その新調査の重力を突破するのに十分な欲の対象を見つけること。そして、メンタルをストレスに慣らす覚悟を固めることです。


・欲には3つに大別して簡潔に分ける枠組みをご紹介します。
 ①肉体的欲求:食欲、睡眠欲、性欲など
 ②社会的欲求:社会集団への所属、承認欲求など
 ③精神的欲求:自己実現、達成感など


・欲を明瞭に認識できない人はどうすればよいのでしょうか。私なりの答えを端的に言えば、小さなことから「やってみたいこと」を設定するリハビリをすることで、自分なりの「欲」を見つけられるようになるトレーニングを継続するのです。


・望ましい欲の3条件(3wantsモデル)
 ①その目的が、巻き込みたい人々にとっても魅力的であること(people want)
 ②その目的達成には、周囲の人々をまきこまないと実現できないこと(want people)
 ③その目的に、あなた自身が本気になれること(i want)


・リーダーシップが欠如している人は、自分のことで頭がいっぱいで、外向きのことに関心がないのです。個を超えた公のために、人を巻き込んでやってみたいこと、成し遂げたいことがほとんどありません。そういう外向きの欲が自分事にならないのです。


・リーダーシップを伸ばしやすい3つの環境
 ①特徴を強みとして活かせる環境
 ②自分がやらねば!と思い込める環境
 ③広い視野と職責スペースが持てる環境


・リーダーとしてあるべきマインドセットは「共同体のためにリスクをとって粉骨砕身することが自身の喜びになる」ことです。その本質は、人を本気にさせる力だと考えています。人々が達成したくなるわくわくするような未来の完成形を描き出し、それが絵空事でなく本当に実現できそうだと信じさせる力。そしてその物語の中でその人ならではの特別な役割を演じられると相手に信じさせる力。ストーリーテリングの力だと言えるかもしれません。