【書評】『ファイナンス思考 日本企業を蝕む病と、再生の戦略論』朝倉 祐介 (著)
こんばんは、スズキです。
今日は『ファイナンス思考 日本企業を蝕む病と、再生の戦略論』朝倉 祐介 (著)を紹介します。
概要
PL脳とは、目先の売り上げや利益を最大化することを目的視する、短絡的な思考態度のことです。今、日本企業を蝕んでいるこのPL脳が内向き、縮小均衡型の衰退サイクルに陥ってしまう原因ではないか?この不確実な時代を切り拓くパラダイムとして著者が論じるのがファイナンス思考です。
ファイナンス思考は、将来手にすることができるお金の期待を最大化しようとする発想で、価値志向、長期志向、そして未来志向です。目先の業績を優先しすぎず、成長を描きながら意思決定する頭の使い方をめざす方にお勧めの一冊です。
著者
【Amazonより引用】
朝倉 祐介(あさくら・ゆうすけ)。シニフィアン株式会社共同代表。兵庫県西宮市出身。競馬騎手養成学校、競走馬の育成業務を経て東京大学法学部を卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに勤務。東京大学在学中に設立したネイキッドテクノロジーに復帰、代表に就任。ミクシィへの売却に伴い同社に入社後、代表取締役社長兼CEOに就任。業績の回復を機に退任後、スタンフォード大学客員研究員等を経て、政策研究大学院大学客員研究員。ラクスル株式会社社外取締役。株式会社セプテーニ・ホールディングス社外取締役。Tokyo Founders Fundパートナー。2017年、シニフィアン株式会社を設立、現任。
私の学び
目標やゴールは短期的にめざすものと、中長期的にめざすものとに分けて考えることが大切だとよく言われます。会社の経営であれば、目先の損得勘定のみで判断を積み重ねていくことだけでは、中長期的な時間軸で大きなリターンを得ること、あるいは自分たちが実現しようとする未来を描くことはできない、とも言えるでしょう。
より大きな成長を描くためには時間軸で事業をとらえる未来志向や、自分自身が描いたビッグピクチャに至るために必要なことを逆算的な思考する態度が重要です。ただ決してPL脳が悪いと否定するのではなく、その思考法だけでは大きな成長は描けないということ、PL脳とファイナンス思考の両輪の思考が大切なのだと感じました。
【本書より引用】
・PL脳の行動パターン
①黒字事業の売却をためらう
②時間的価値を加味しない
③資本コストを無視する
④事業特有の時間感覚を勘案しない
⑤事業特有のリスクを勘案しない
・ファイナンス思考の特徴
①評価軸(将来にわたって生み出されるキャッシュフローの総量)
②時間軸(長期、未来志向、自発的)
③経営アプローチ(戦略的、逆算型)