スズキ図書館

最近読んだ本の内容を紹介する書評ブログです。ビジネス書が中心です。これから皆様が読む本を選ぶ際の参考になれば幸いです。

【書評】『「越境企業」のはじめ方』瀬戸口航 (著)

こんばんは、スズキです。
今日は『「越境企業」のはじめ方』瀬戸口航 (著)を紹介します。

概要

 越境とはビジネスパーソンの文脈では、たとえば部署や役職、時には会社を飛び越えた経験をすることで新たな視点を得て持ち帰り、自分も組織も成長するようなアクションを指します。近年、多くの企業で越境体験、越境を通じた学習の機会が増えてきていますが、本書では越境の意義や心構え、企業が抱える人材育成の本質的な課題に越境がどのような役割を果たすか、その解決策を論じています。既存の枠にとらわれない発想をする、あらゆる壁を飛び越えられる自由さをもった人材を育てたい。そういった人材育成やマネジメントに関心のある方にお勧めの一冊です。

著者

Amazonより引用】
瀬戸口航 (せとぐち わたる)(株)ファーストキャリア代表取締役社長(株)セルム執行役員。2003年早稲田大学商学部卒業後、(株)日本エル・シー・エーにて自動車業界を中心に新規事業開発支援・ビジネスプロセス構築などに従事。2010年(株)ファーストキャリア入社。営業マネージャー、企画開発本部長等を経て2016年代表取締役社長就任。同年、(株)セルム執行役員就任。大手企業を中心に、ファーストキャリア層(新人~若手人材)・次世代リーダー層向けの人材育成・人材開発施策のコンサルティングなどを手がける。次代を担うリーダー育成のため、近年は越境学習を広めることに心血を注ぎ、「X×リーダー育成」のコンセプトのもと、地方創生や技術イノベーションなど「X」の場とリーダー育成の掛け合わせを数多く創出している。

私の学び

 革新的なイノベーションを起こすためには、多様なバックグラウンドを持つ人同士の知を掛け合わせることが重要だ、と言われていますが、多様な人同士が集う場・きっかけとして越境体験は有意義な機会の一つであると思います。越境して考え方のまったく異なる人とコミュニケーションすることで、意思疎通のスキルが向上するばかりではなく、改めて他者から見て自分が何者かを再発見・再定義する機会にもなるでしょう。あなたはなぜその組織に属しているのか?その問いの答えを自分の信念として磨き上げていくことが、今後のひとりひとりが自分らしいキャリアを描くうえで大切な要素なのだと思います。

【本書より引用】
・意味のある施策とは何か。能力開発サイクルとは、担当業務を名実ともに当事者として遂行できるようになるための研鑽をし続けることです。価値創出サイクルは、高まった知識やスキルを実際の場面で活用し、何らかの実価値を生み出し続けるサイクルです。


・「考えの異なる相手の意見を受け入れられる力」「物事を多面的に見る力」「相手が理解しやすいように物事を伝える力」の3つが、越境体験の内容にかかわらず得られた能力として挙げられていました。


・これからの時代に企業が待ち望んでいる若手リーダーには、以下の3つの力が求められていると考えています。
 ①世界を正面からと捉えて課題を設定する力
 ②さまざまな立場のステークホルダーたちと向き合って協働する力
 ③自身の信念や価値観を明確に持ち、進化していく姿勢