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【書評】「人を助けるとはどういうことか――本当の「協力関係」をつくる7つの原則」エドガー・H・シャイン(著)

こんばんは、スズキです。
今日は「人を助けるとはどういうことか――本当の「協力関係」をつくる7つの原則」エドガー・H・シャイン(著)を紹介します。

人を助けるとはどういうことか ― 本当の「協力関係」をつくる7つの原則

概要

どうしたら、あの人の役に立てるのだろうか。相手のためを思ってとった行動が、実は相手にとってはそうでなかったということは多い。支援の中にも役に立つ支援と、そうでない支援がある。本書では、支援が求められたときに真の支援ができるようになること、逆に支援を必要とするときに支援を正しく受け入れる洞察力を得ることを目的とし、「支援」を通じたお互いの目的を達成するための原理原則を説いた一冊です。

著者

Amazonより引用】

エドガー・H・シャイン Edgar H. Schein。MIT工科大学スローン経営大学院 名誉教授。シカゴ大学を経て、スタンフォード大学で心理学の修士号を取得。その後ハーバード大学社会心理学の博士号を獲得。現在は、米国および海外の多くの組織に対して、組織文化や組織開発、プロセス・コンサルテーション、キャリア・ダイナミクスに関するコンサルティングを行っている。社会学、人類学、そして社会心理学の相乗効果を生み出していることで高く評価されている。『キャリア・アンカー』『プロセス・コンサルテーション』『企業文化』(いずれも白桃書房)、『組織文化とリーダーシップ』(ダイヤモンド社)をはじめ、著書は多数。

私の学び

【本書より引用】

・支援とは、自分以外の人間の力添えで問題が解決したり、何かを達成したり、物事をより容易にしたりすることができることである。

・日々の生活の中で、支援そのものが重要な社会的通貨であり、適切な対応がなされなければ不均衡が生じるということだ。

・支援者が選べる役割は次の通りだ。

 ①情報やサービスを提供する専門家

 ②診断して、処方箋を出す医師

 ③公平な関係を築き、どんな支援が必要かを明らかにするプロセスコンサルタント

・プロセスコンサルタントの役割を果たすうえで

 ①状況に内在する無知を取り除くこと

 ②初期段階における立場上の格差を縮めること

 ③認識された問題にとって、さらにどんな役割をとるのが最適かを見極めることが重要である

・組織のリーダーは、部下や頼られた相手をクライアントとして親身にあつかうことで組織はうまくいく。

著者は、真の「支援」の目的はクライアントの問題解決であり、そのためにはクライアントは問題解決を支援者に任せきらず、あくまで自分のために問題解決する立場だと考えること、クライアントと支援者が協力できるよう、なるべく多くの無知を明らかにし認識をあわせることが大事だと述べています。

支援をする側として、支援を通じて貢献心や自尊心を満たすことだけが目的になっていないか?支援を乞う側として、支援を通じて問題解決を相手に擦り付けたり、解決してもらったあとの感謝(社会的通貨の返礼)を忘れてはいないか?人は仕事でも家庭でも様々な支援をしあっているが、それを真の「支援」たらしむ原理・原則を痛感されられた気がします。