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【書評】「FACTFULNESS (10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣)」ロスリング・ハンス (著)

こんばんは、スズキです。
今日は「FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」ロスリング・ハンス (著)を紹介します。

概要

 私たちは知らず知らずのうちに世の中をフィルタを通して見ている。自分のなかの無意識のフィルタ「ドラマチックすぎる世界の見方」によって、誤解をしたり、物事の本当の姿を正しく見つめられなくなってしまうことがある。世界の抱える問題を解決したいと思うならば、まずは世界を正しく見ることが必要だ。

 本書は「ファクトフルネス」の習慣を毎日の生活に取り入れることで、「事実に基づく世界の見方」ができるようになることを目的とし、著者であるハンス・ロスリングとご家族や子どもたちが典型的な10の思い込み(フィルタ)と助言をまとめあげています。書籍、雑誌、インターネットなど情報があふれる時代、事実に基づかない真実を鵜呑みにしないためには何が必要か?考えるきっかけを与えてくれる一冊です。

著者

Amazonより引用】
・ロスリング・ハンス。1948年にスウェーデンのウプサラで生まれた。ウプサラ大学で統計学と医学を学び、インドのバンガロールにある聖ヨハネ医科大学で公衆衛生を学んだあと、1976年に医師になった。1974年から1984年までの間に合計で18カ月仕事を休み、3人の子供の子育てに100%の時間を注いだ。1979年から1981年まではモザンビークのナカラで地域担当の医師として働き、それまで知られていなかった神経が麻痺する病気を発見した。それがコンゾだ。この病気の調査と研究によって1986年にウプサラ大学から博士号を取得した。1997年からはストックホルムにあるカロリンスカ医科大学でグローバルヘルスの教授を務めた。専門は、経済発展と農業と貧困と健康のつながりについての研究だった。カロリンスカ医科大学で新しい授業科目を開講し、提携研究を立ち上げ、グローバルヘルスについての教科書を共著した。2005年には、息子のオーラとその妻のアンナと共にギャップマインダー財団を設立。スウェーデン科学学会の国際分科会メンバーであり、スイスの世界経済フォーラムのグローバル・アジェンダ・ネットワークにも所属していた。2009年にはフォーリン・ポリシー誌からグローバル思想家100人のひとりに選ばれ、2011年にはファスト・カンパニー誌から世界で最もクリエイティブな100人のひとりに選ばれた。また2012にはタイム誌が選ぶ世界で最も影響力の大きな100人のひとりになった。2017年2月7日に他界した。
・ロスリング,オーラ。1975年にスウェーデンのフディクスバルで生まれた。ギャップマインダー財団の共同創立者であり、2005年から2007年までと、2010年から現在まで財団のディレクターを務めている。ギャップマインダーのチンパンジクイズを開発し、知識不足を体系的に測定するプロジェクトやその認証プロセスを開発した。データを分析し、ハンスが行うTEDトークや講演の資料をつくってきた。1999年からは「トレンダライザー」として有名になった動くバブルチャートによるツールを開発してきた。2007年にグーグルがトレンダライザーを買収し、2007年から2010年までグーグルのパブリックデータ・チームのリーダーを務めた。その後、ギャップマインダーに戻り、新たな無料教育ツールを開発している。
・ロスリング・ロンランド,アンナ。1975年にスウェーデンのファールンで生まれた。ルンド大学で社会学を学び、ヨーテボリ大学で写真を学んだ。ギャップマインダーの共同創立者であり、バイス・プレジデントを務めている。講演者であり、ギャップマインダーの利用者担当リーダーでもある。また、ギャップマインダーのグラフィックやスライドを作成し、動くバブルチャートのユーザーインターフェースも設計した。2007年にトレンダライザーがグーグルに買収されたあと、グーグルでシニア・ユーザビリティデザイナーを務めた。2010年にギャップマインダーに戻り、新しい無料の教育ツールを開発している。ギャップマインダーでの功績が認められ数々の賞を受けている。2017年にレジメ・スーパーコミュニケーター賞、金の卵賞、またファスト・カンパニー誌の世界を変えるアイデア賞を受章した。

私の学び

 人は自分の思い込みの中で、見える世界のなかで生きている、とはよく言われることだが、本書で語られているように、まさしくその思い込み(フィルタ)こそが、人が世界を、他人を、問題を正しく捉えることから遠ざけてしまう。

 自分のなかの思い込み(フィルタ)の存在を自覚すること、また事実に基づかない真実を鵜呑みにしないために「情報源を信頼していいか?」「事実を見る準備が自分はできているか?」と自問することがファクトフルネスのマインドにつながるのだと思います。

【本書より引用】
・10の思い込み
「世界は分断されている」
「世界がどんどん悪くなっている」
「世界の人口はひたすら増える」
「危険でないことを恐ろしいと考えてしまう」
「目の前の数字がいちばん重要」
「ひとつの例にすべてがあてはまる」
「すべてはあらかじめ決まっている」
「世界はひとつの切り口で理解できる」
「だれかを責めれば物事は解決する」
「いますぐ手を打たないと大変なことになる」

 

・ファクトフルネスを実践するための10の助言
「大半の人がどこにいるのかを探そう」
「悪いニュースのほうが広まりやすいと覚えておこう」
「直線はいつかは曲がることを知ろう」
「リスクを計算しよう」
「数字を比較しよう」
「分類を疑おう」
「ゆっくりとした変化でも変化していることを心に留めよう」
「ひとつの知識がすべてに応用できないことを覚えておこう」
「誰かを責めても問題は解決しないと肝に銘じよう」
「小さな一歩を重ねよう」

 

・事実に基づいて世界を見れば、世の中もそれほど悪くないと思えてくる。これからも世界をよくし続けるために私たちに何ができるかも、そこから見えてくるはずだ