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最近読んだ本の内容を紹介する書評ブログです。ビジネス書が中心です。これから皆様が読む本を選ぶ際の参考になれば幸いです。

【書評】「ファシリテーション・グラフィック -議論を「見える化」する技法-」堀公俊、加藤彰(著)

こんばんは、スズキです。
今日は「ファシリテーション・グラフィック -議論を「見える化」する技法-」堀公俊、加藤彰(著)を紹介します。

概要

 ファシリテーションとは、チームメンバの持つ様々な情報、視点、アイディアを引き出し、お互いの理解を深め、参加・協働へと向かうように支援することです。また、会議において板書係(グラフィッカー)というと一見下っ端の役目に思われがちですが、実は板書係が個々の発言をどのように要約するか、多様な意見をどのように整理するかで議論の組み立てや舵取りが変わってきます。
 本書ではこのファシリテーショングラフィックを描いていくプロセス、またファシリテーショングラフィッカーの頭の中を探求し、リアルタイムに議論を描きながら進行を舵取りするポイントを紹介してくれる一冊です。

著者

【Amamzonより引用】
・堀 公俊(ほり・きみとし)。1960年、神戸生まれ。大阪大学大学院工学研究科修了。大手精密機器メーカーにて商品開発や経営企画に従事。95年より組織改革、企業合併、教育研修、コミュニティ、NPOなど多彩な分野でファシリテーション活動を展開。2003年に有志とともに日本ファシリテーション協会を設立し、初代会長に就任。研究会や講演活動を通じてファシリテーションの普及・啓発に努めている。ワークショップの達人であり、ロジカルでハートウォーミングなファシリテーションには定評がある。現在:組織コンサルタント、日本ファシリテーション協会フェロー。
著書:『ビジネス・フレームワーク』『ファシリテーション・グラフィック』『ワークショップ・デザイン』 (以上、日本経済新聞出版社)、『問題解決ファシリテーター』(東洋経済新報社)、『チーム・ファシリテーション』(朝日新聞出版)など多数。

・加藤 彰(かとう・あきら)。1965年、愛知県生まれ。京都大学大学院工学研究科修了。デンソーにて半導体研究に従事した後、株式会社日本総合研究所にて経営コンサルティングに従事。経営戦略策定・浸透、特に製薬企業の営業・マーケティング戦略策定、人材育成体制構築をメインに担当。テーマを問わず、ワークショップ企画運営、中堅人材向け研修などの対話・学習の場づくりを得意とする。顧客企業メンバーの創造的意見を引き出すファシリテーターコンサルタントを目指している。現在:株式会社日本総合研究所総合研究部門マネジャー、日本ファシリテーション協会フェロー。著書:『「60分」図解トレーニング ロジカル・ファシリテーション』(PHP研究所)、『ファシリテーション・グラフィック』『チーム・ビルディング』『ワークショップ・デザイン』『ロジカル・ディスカッション』『ディシジョン・メイキング』『アイデアイノベーション』(以上、日本経済新聞出版社)。

私の学び

 会議の書記・議事録担当は若手・新人など下っ端の仕事とついつい思われがちですが、特に昨今で主流になったリモート会議では参加者の視線がPCの画面中心となるため、グラフィッカーの会議進行に与える影響力は対面での会議以上に増しているように思います。基本フォーマットのなかでもリスト型は比較的取り入れやすい、すでに実践できている方が多いと思いますが、それ以外のマンダラ型やチャート型といった少しステップアップしたグラフィックについても局所的に取り入れてみると新しい化学反応が起こりやすくなるかもしれません。

【本書より引用】
・言葉だけが飛び交う空中戦をいくらやっても議論はまとまりません。議論を視覚情報に落とし込み、可視化された共通の枠組みで話し合う地上戦に変えなければなりません。


ファシリテーショングラフィックのメリット
 「プロセス共有」
  ①議論のポイントをわかりやすくする
  ②ポイントに意識を集中させる
  ③共通の記録として残す
 「参加の促進」
  ①発言を定着させて安心感を与える
  ②発言を発言者から切り離す
  ③議論に広がりを与える


ファシリテーショングラフィックの3つの基本フォーマット
 ①リスト型(発言録型、議事録型)
 ②マンダラ型
 ③チャート型(グループ型、表型)