【書評】「カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則」ニック・メータ(著)
こんばんは、スズキです。
今日は「カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則」ニック・メータ(著)を紹介します。
概要
売ることよりも長期的な関係をつくること、新規顧客の獲得よりも既存顧客の離脱を防ぐことが求められるサブスクリプションビジネスのカギとなるカスタマーサクセス。それは受け身で顧客に対応することではなく、データを駆使して顧客を積極的に支援することです。本書はカスタマーサクセスがなぜ重要なのか、どうすれば定期収益を育てられるのか、組織とマネジメントはどう変わるべきなのか、そのカスタマーサクセスの哲学、方法論を語った一冊です。
著者
【Amamzonより引用】
・ニック・メータ Nick Mehta。カスタマーサクセスソフトウェアを提供するゲインサイト(Gainsight)のCEO。適切な人材を集め、顧客、取引先、従業員とその家族の成功のために最良の体制をつくっている。「他人から自分にしてもらいたいことを他人に対してせよ」という黄金律の強い信奉者であり、深い思いやりをもって人と関わっている。
・ダン・スタインマン Dan Steinman。ゲインサイトCCO(最高顧客責任者)。ゲインサイトが運営するカスタマーサクセス・ユニバーシティおよび関連する多数のブログの著者であり寄稿記事も多い。カスタマーサクセスの世界のソート・リーダーとして認められている。
・リンカーン・マーフィー Lincoln Murphy。カスタマーサクセスを通じて企業の成長を支援するコンサルティング企業、シックスティーン・ベンチャーズの創業者。成長とカスタマーサクセスに関する執筆者であり国際的なスピーカーでもある。
私の学び
・顧客にとっての成功を定義することはまさしく「価値」を定義、提唱するイノベータの役目であり、また、ヘルススコアとアクションプランを立てることはまさしく、価値を定量化、指標化してアクションを実行するデータサイエンティストの役目であり、その両面をつなぐことがカスタマーサクセスの果たす役割である、というように解釈、理解をしました。
【本書より引用】
・カスタマーサクセスの10原則
原則(1) 正しい顧客に販売しよう
原則(2) 顧客とベンダーは何もしなければ離れる
原則(3) 顧客が期待しているのは大成功だ
原則(4) 絶えずカスタマーヘルスを把握・管理する
原則(5) ロイヤルティの構築に、もう個人間の関係はいらない
原則(6) 本当に拡張可能な差別化要因は製品だけだ
原則(7) タイムトゥバリューの向上にとことん取り組もう
原則(8) 顧客の指標を深く理解する
原則(9) ハードデータの指標でカスタマーサクセスを進める
原則(10) トップダウンかつ全社レベルで取り組む
・3種類のタッチモデル
①ハイタッチ:定義上、最も人手が必要だが、かかった費用は顧客が製品に支払う金額で元が取れるというモデルである。
②ロータッチ:ロータッチモデルが対象とするのは中間にあたる顧客だ。ハイタッチ客にしているような上質なサービスを約束するほど大規模な層でも戦略が必要な層でもないが、ある程度個別には対応したいと思う程度には重要である。
③テックタッチ:テックタッチとは要するに、すべての顧客との接点がテクノロジー主導で行われるということだ。別の言い方をすると、あらゆる対応を1対多にしなければならない。
・顧客が大成功するのを支援するためには、まず何が顧客にとっての成功なのかを理解しなければならない。
①顧客はどうやって成功を測っているのか
②その指標から判断すると顧客は成功しているか。
③成功への過程で顧客はどんな期待をしているか。
・カスタマーヘルスの要素のうち、顧客の健全性全体の判定に使えるものを以下に挙げてみよう
①製品定着率
②カスタマーサポート
③調査結果
④マーケティングへの関与度
⑤コミュニティへの参加度
⑥マーケティングへの参加度
⑦契約金額の増減
⑧自立度
⑨支払い履歴
⑩幹部との関係性