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【書評】「イシューからはじめよ──知的生産の「シンプルな本質」」安宅和人 (著)

こんばんは、スズキです。
今日は「イシューからはじめよ──知的生産の「シンプルな本質」」安宅和人 (著)を紹介します。

概要

 イシューとは「複数の集団の間で決着のついていない問題」であり、「根本にかかわる、白黒が発揮していない問題」のことである。私たちが知的生産活動として時間を費やすべきはこのイシューを解くことである。それ以外の問題について考えることは多くの場合、答えのない問題に悩まされ続ける、もしくはいつまでたっても問題が解決しない、という状況に陥ってしまう。イシューを見極めるとはどういうことか?知的生産活動の質を高めるために役立つ思考法の軸を与えてくれる一冊です。

著者

Amazonより引用】
安宅和人。あたか・かずと。1968年富山県生まれ。東京大学大学院生物化学専攻にて修士号取得後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。4年半の勤務後、イェール大学・脳神経科学プログラムに入学。平均7 年弱かかるところ3年9カ月で学位取得(Ph.D.)。2001年末、マッキンゼー復帰に伴い帰国。マーケティング研究グループのアジア太平洋地域における中心メンバーの1人として、飲料・小売り・ハイテクなど幅広い分野におけるブランド立て直し、商品・事業開発に関わる。また、東京事務所における新人教育のメンバーとして「問題解決」「分析」「チャートライティング」などのトレーニングを担当。2008年よりヤフー株式会社に移り、2012年よりチーフストラテジーオフィサー。幅広い事業戦略課題・大型提携案件の推進に加え、市場インサイト部門、ビッグデータ戦略などを担当。データサイエンティスト協会理事・スキル定義委員長。総合科学技術イノベーション会議(CSTI)基本計画専門調査会 委員ほか公職多数。2018年より慶應義塾大学環境情報学部教授。著書に『シン・ニホン』(NewsPicksパブリッシング、2020年)。

私の学び

 普段の仕事や生活の中で「与えられた問題にどう対処するのか?」ではなく、「本当に解くべき問題はなんなのか?」を問う、イシューを見極める、「犬の道」に陥らないように取り組む、といった視点の大切さを痛感させられる内容でした。

 一方で、イシューを見極るスキルは一朝一夕に身に付き難いものとも思います。日ごろから目の前の課題に対して「これは本当に白黒はっきり答えが出ることか?深い洞察に基づいていることか?今後の進め方の大きな分岐点となるイシューなのか?」と問いかけることで習慣づけていくことも取り入れ方の一つと思います。

 また、イシューを明らかにする手法として、現場や実態にあたることで1次情報に触れる、スキャンする、そして収集はある程度したところで止めて進めていくプロセスは、実態を理解することから着想するデザイン思考とも共通するように感じられます。空・雨・傘のストーリーラインもネーミングから覚えやすく活用しやすいのではないでしょうか。