スズキ図書館

最近読んだ本の内容を紹介する書評ブログです。ビジネス書が中心です。これから皆様が読む本を選ぶ際の参考になれば幸いです。

【書評】「デジタルトランスフォーメーション・ジャーニー 組織のデジタル化から、分断を乗り越えて組織変革にたどりつくまで」市谷聡啓 (著)

こんばんは、スズキです。
今日は「デジタルトランスフォーメーション・ジャーニー 組織のデジタル化から、分断を乗り越えて組織変革にたどりつくまで」市谷聡啓 (著)を紹介します。

概要

 デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、単に新しい技術を使って新しいサービスやビジネスを作ることではなく、「変化に適応できる組織を目指し、その内部の在り方の変革を目指すもの」です。

 本書では、DXを「業務のDX」「スキルのDX」「ビジネスのDX」「組織のDX」の4つの段階設計に分け、これをジャーニーと呼んでいます。変化に適応するためにはまず土台となる足場(コミュニケーションやスキル)が不可欠であり、そのうえで仮説検証に基づくアジャイルに結果を積み重ね、最終的に新たな事業に適した組織作りと既存事業への学びの伝搬につなげていく。この4つのジャーニーをどのように重なりを持って進めてゆくべきかを論じた一冊です。

著者

Amazonより引用】
・市谷 聡啓。サービスや事業についてのアイデア段階の構想から、コンセプトを練り上げていく仮説検証とアジャイル開発の運営について経験が厚い。プログラマーからキャリアをスタートし、SIerでのプロジェクトマネジメント、大規模インターネットサービスのプロデューサー、アジャイル開発の実践を経て、自らの会社を立ち上げる。それぞれの局面から得られた実践知で、ソフトウェアの共創に辿り着くべく越境し続けている。訳書に「リーン開発の現場」がある。著書に「カイゼン・ジャーニー」「正しいものを正しくつくる」「チーム・ジャーニー」がある。

私の学び

 企業のイノベーションの世界では知の深化と知の探索、両利きの経営と語られる機会が増えていますが、そもそも足場となる業務、コミュニケーション、ケイパビリティ(組織の能力)を整備することろから始めようという視点は大切だと感じます。

 知の探索と知の深化の二つのOSを両輪で実行するために役立つ、デジタルコミュニケーション(打ち合わせのアンバンドル)、タスクマネジメント(PDCAとOODA)、仮説検証(仮説キャンバスやMVP、リリースプランニングなど)、経営層とミドルマネジメントの垂直統合上の分断の乗り越え方(コミットメントの在り方、CoE)など、様々なノウハウが本書では語られており、暗中模索のなかでDXのかじ取りを任されている方にとっては一つの足掛かりとなる内容です。