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最近読んだ本の内容を紹介する書評ブログです。ビジネス書が中心です。これから皆様が読む本を選ぶ際の参考になれば幸いです。

【書評】「受注を勝ち取るための 外資系「提案」の技術---日本人の知らない世界標準メソッド」式町久美子 (著)

こんばんは、スズキです。
今日は「受注を勝ち取るための 外資系「提案」の技術---日本人の知らない世界標準メソッド」式町久美子 (著)を紹介します。

概要

 「限られた人員で多くの受注を勝ち取りたい」「顧客の心をつかむ提案をして顧客の問題解決に役立ちたい」「手間のかかる提案書づくりをもっと効率よく行いたい」、、、。コンペや入札、提案営業にかかわる方にとって、こうしたお悩みや課題に対して手探りで進めている方も少なくないのではないかと思います。本書は、もともとアメリカの官公庁向けの提案活動のノウハウをベースに体系立てられたNPO法人「Association of Proposal Management Professionals(APMP)」のメソッドと、それを日本向けに特に有効活用できそうな部分を取り上げて説明しており、競合に勝つための計画の立て方、顧客との関係のつくり方、提案書の書き方など、提案で勝つためのプロセスの全体像を論じた一冊です。

著者

Amazonより引用】
・式町久美子。プロポーザル・マネジメント・プロフェッショナル協会(APMP)の最上位資格取得者(日本人唯一のプロフェッショナルメンバー)。日本ヒューレット・パッカード株式会社にて「プロポーザルセンター」という組織の立ち上げに従事。提案書作成に関するコンテンツ、ノウハウを蓄積し、営業やエンジニア、コンサルタントのデスクワーク時間を削減、価値創造の時間を捻出するのが任務。以降、プロポーザルマネジメント、提案書作りに10年以上携わる。現在は日本アルカテル・ルーセント社にて、提案期間のプロセスを管理するビッドマネジメントに携わっている。

私の学び

・営業や提案活動というと、提案書やプレゼンテーションなど顧客に対する具体的なアウトプットの場ばかりが目立ちがちですが、その成功の確度を高めるのは事前準備にあります。その意味でもAPMPのプロポーザルマネジメントのメソッドは事前準備のプロセスを明確に定義しており、個人単位の努力に依存しすぎず組織として受注獲得や関係継続の確率を高めるのに役立つ手法群といえるかと思います。自分の仕事の軸が営業活動にある方、今後こうした提案活動のスキルを高めていきたい方にとっては有益な一冊といえるかと思います。

【本書より引用】
・プロポーザルマネジメントの7つのステップ
 ①参入市場・業界の絞り込み
 ②ターゲット顧客の絞り込み
 ③案件の評価
 ④案件獲得活動(顧客との関係づくり)
 ⑤提案計画書(プロポーザルマネジメントプラン)の作成
 ⑥提案書の作成
 ⑦提案書提出後の活動


・DMU(Decision Making Unit)分析やホットボタン分析、3C分析やPEST分析、ストーリーボーディングなどを活用し上記ステップを進めてゆく。


・「その案件は確かに存在するか」「勝てる見込みがあるのか」「それを取りに行きたいか」の3つの問いにはっきりと答えられるように情報収集や分析を進める