【書評】「カスタマーサクセス実行戦略」山田ひさのり (著)
こんばんは、スズキです。
今日は「カスタマーサクセス実行戦略」山田ひさのり (著)を紹介します。
概要
あらゆるものがサービス化しているサブスク時代の今にあって、カスタマーサクセスは事業をけん引するドライバーになる可能性を秘めています。本書は著者である山田ひさのり氏が、Gainsight社のカスタマーサクセスのベストプラクティスを参考にし、株式会社SanSanで試行錯誤を繰り返しながら実践してきたカスタマーサクセスのノウハウをまとめた、まさしくカスタマーサクセスの教科書として書き下ろされた一冊です。これからカスタマーサクセスを仕事で推進、活用していこうとする方にお勧めです。
著者
【Amazonより引用】
・山田ひさのり。Sansan株式会社カスタマーサクセス部シニアカスタマーマーケティングマネージャー。大学卒業後、ゲームプログラマーとしてキャリアをスタート。その後、ウェブ開発のプログラマー/システムエンジニアを経て、スタートアップのビジネス開発に興味を持つ。2013年「世界を変える新たなビジネスを」という考えに共感し、Sansan株式会社に入社。現在はSansanのカスタマーサクセス部で、全体戦略の立案と既存顧客とのエンゲージメント強化を担当。
私の学び
Gainsight社の「カスタマーサクセスの成熟度モデル」のどの位置に自分、自社、自プロダクトがいるかをまず確かめ、自分の置かれた成熟度に適したアクションを実行する。ベストプラクティスからカスタマーサクセスに向けた取り組みを始めるには、このGainsight社のCS成熟度モデル&CSエレメンツが起点になるということがまさしくスタート時のポイントだと思います。
また、自分たちの組織に新たにカスタマーサクセス組織を立ち上げるときになかなか理解が得られない場合には、例えばオンボーディングの効率化による問い合わせ削減などのコスト削減から始める現実的な社内浸透策をとるのも良い、といった筆者の経験を踏まえた事例の紹介もあり、プロフィットセンターと位置付けるまでの段階的な改革の進め方も参考になります。
【本書より引用】
・カスタマーサクセスの役割は以下の4つに集約されると考えています
①解約(チャーン)の削減
②追加受注(ネガティブチャーン)の増加
③紹介案件発生(セカンドオーダーレベニュー)のための種まき
④提供プロダクト・サービスのフィードバック収集
・Gainsight社の「カスタマーサクセスの成熟度モデル」です。
①Reactive:顧客の相談を起点にカスタマーサクセスを行う
②Insight&Actions:蓄積されたデータをもとにカスタマーサクセス活動がフレーム化されている
③Outcomes:自社のサービスを使って顧客がサクセスできている
④Transform:全顧客に対して自社のカスタマーサクセスの方法論を使ってサクセスまでのフローが構築されている
・Gainsight社のCSエレメンツでは、自社が成熟度モデルの各フェーズにあるとき、何を実施すべきかを14個の要素でまとめている。
・カスタマーサクセス組織のKGI
①GrossRetentionRate:既存契約者の継続利用率
②ExpantionRate:既存契約者からのサービス拡大率
③NetRetentionRate:①+②
・カスタマーサクセスマネージャに必要な8つの資質
①分析思考
②積極性
③共感性
④粘り強さと情熱
⑤チームプレイ
⑥コミュニケーションスキル
⑦高度な専門性
⑧戦略思考