スズキ図書館

最近読んだ本の内容を紹介する書評ブログです。ビジネス書が中心です。これから皆様が読む本を選ぶ際の参考になれば幸いです。

【書評】「自分の意見で生きていこう」ちきりん(著)

こんばんは、スズキです。
今日は「自分の意見で生きていこう」ちきりん(著)を紹介します。

概要

 「よくわかっていないことに対して意見を持つことはできない」「間違っているかもしれないから意見を言うのは不安」という思い込みから、自分の意見を発信することに対してなんとなく恐怖を抱いている人は少なくありません。しかし、どんな働き方をすべきか、どんな人と結婚すべきか、どんなスタイルで生きていくべきか、と言った人の生き方に唯一の答えがないのと同じように、人生における大切な問題には唯一の正しい答えはありません。
 本書では「ちきりんの日記」でお馴染みに著者が、正解のない問題に対する向き合い方、そしてどのように自分なりの答えを出してゆくかを紹介しています。正解のない問題に向き合っていくことが求められるVUCAと呼ばれるこれからの時代に、自分なりの答えを持って自信と誇りをもって人生を歩んでゆきたいと考える方にお勧めの一冊です。

著者

Amazonより引用】
・ちきりん。関西出身。バブル期に証券会社に就職。その後、米国での大学院留学、外資系企業勤務を経て2011年から文筆活動に専念。2005年開設の社会派ブログ「Chikirinの日記」は、日本有数のアクセスと読者数を誇る。シリーズ累計23万部のベストセラー『自分のアタマで考えよう』『マーケット感覚を身につけよう』(ダイヤモンド社)、『「自分メディア」はこう作る! 』(文藝春秋)など著書多数。

私の学び

 本書で語られた「意見」と「反応」の区別に関して、改めて過去の自分の言動を振り返ってみると、普段から賢く見えるネガティブな反応パターンにひどく依存しているのではないか?自らのポジションをあまり語らずリスクを取らないような言動に依存しがちであるのではないか?と感じました。唯一の正しい答えがない問題に対して「自分は何を問い(イシュー)とするのか?」「自分はその問いにして賛成か?反対か?何を推すのか?」を常に自分で決断し、たとえ他人から厳しい意見をぶつけられようともブレずに自分の意見を発信してゆくこと、ブレないほど考え抜くことを実践してゆきたいと改めて感じさせられました。

【本書より引用】

・意見と反応を区別するための鍵となる概念をご紹介しましょう。それは「ポジション」という言葉です。発言者の立ち位置=自分の立っている場所が「ポジション」であり、「ポジションをとる」とは、自分がどこに立って(発言したり、思考したりして)いるかを、明確にするということです。

 

・「これは本当に自分の意見かな?誰かに影響されていないかな?」と確認したいとき、私はいつも「世の中の9割の人が異なる意見であっても、自分の意見はこれだと断言できるか?」と考えてみています。

 

・自分でゼロから何かを発信しなくても、他者のコンテンツに対する意見を発するだけでも、それらを一か所に集めさえすれば、立派な「自分のコンテンツ」になるのです。

 

・最近は「プロセスエコノミー」という言葉をよく聞きます。これは完成物だけでなく、そこに至るまでの過程(プロセス)に価値を認め、そのプロセスを売るビジネスのことです。自分に合った表現方法を見つけ、途中過程も含め、どんどん発信してみましょう。なにかすごいものが完成してから発信!などと考える必要はありません。

 

・様々な方向から徹底的に考えたうえで自分の意見を明確化できれば、人は「たとえほかの人の意見とは違っていても、オレの意見は絶対にコレだ!」と言えるようになります。そして人生の多くの重要な決断については「絶対にこの道だ!」と思えるレベルまで考え尽くすことが不可欠なのです。しっかりと、誰に違うと言われても「絶対にこうだ!」と言えるレベルまで考え尽くしましょう。

 

・承認欲求が充足するステップ
 ①日常生活で見聞きし、体験したさまざまなことについて、自分の意見を明確にする。外部に表明する必要はなく、日記帳や他者が閲覧できないブログやメモに書き記すだけでもOK。
 ②それらの「自分の意見の束」によって、自分という人間がどのような人間なのかを、自分で理解する。(自我の確立)
 ③そのありのままの自分を、自分で肯定する。(自己承認、自己肯定感)
 ④それらの意見の束を(自分を理解してほしい、と思える人に)開示することにより、自分という人格を、外部からも承認してもらう。(承認欲求の充足)

 

・本当に「常に他の人と意見が同じ」なのであれば、そのコミュニティにとってその人が存在する価値はありません。「自分の意見を表明し、議論する」プロセスに貢献できない人は、仲間ではなく、作業担当者に過ぎないのです。

 

・幅広い分野について自分の意見が言える人は、海外では「いろいろなことについてしっかりと考えている人」であり、社会のさまざまなことに自分の意見を持つことは、民主主義社会を構成する社会の一員としての責務だとさえ考えられています。それが日本では「専門外のコトに口を挟む、でしゃばりな素人」とみなされてしまう。「自分の専門分野以外は、専門家に任せておけばよい」という考えは、まさに縦割り組織の原点ともいえる発想です。

 

・発言者の立ち位置に影響を与えない細かい質問は無意味だと教えるため、自分の意見を言う前に質問しようとする人には、「その質問の回答によって、あなたの意見はどう変わるのか?」を、質問前に明確にするよう求められるのです。しっかりと思考し、自分の意見に基づいて進めた仕事なら、たとえ結果がよくなくても、必ずなんらかの学びが得られます。

 

・まずは自分から「こういうことに興味がある」「自分の考えはこうだ」と発信してみるのです。そうすれば「実は自分もそれについて興味がある。しっかり考えてみたかった」という人が身近な場所からもきっと見つかることでしょう。自分でしっかりと考えてこの道を選んできた」という自覚こそが、人生に誇りと自信を与えてくれるのです。