スズキ図書館

最近読んだ本の内容を紹介する書評ブログです。ビジネス書が中心です。これから皆様が読む本を選ぶ際の参考になれば幸いです。

【書評】「カスタマーサクセス・プロフェッショナル――顧客の成功を支え、持続的な利益成長をもたらす仕事のすべて」アシュヴィン・ヴァイドゥヤネイサン(著)

こんばんは、スズキです。
今日は「カスタマーサクセス・プロフェッショナル――顧客の成功を支え、持続的な利益成長をもたらす仕事のすべて」アシュヴィン・ヴァイドゥヤネイサン、ルーベン・ラバゴ(著)を紹介します。

カスタマーサクセス・プロフェッショナル――顧客の成功を支え、持続的な利益成長をもたらす仕事のすべて

概要

 近年、世の中で隆盛を極めるサブスクリプションサービスにおいて特に重要視されるのがカスタマーサクセス、そしてそれを実践する役割がカスタマーサクセスマネージャです。本書ではカスタマーサクセスとは何か?担当者は何を考え、どう行動すべきなのか?について、具体的な指針を事例を交えながら紹介しています。世界中の企業がDX(デジタル・トランスフォーメーション)に取り組む中で、ますます求められるカスタマーサクセスを理解し実践の足掛かりとしたい方にお勧めの書籍です。

著者

Amazonより引用】

・アシュヴィン・ヴァイドゥヤネイサン(Ashvin Vaidyanathan) 。カスタマーサクセス企業ゲインサイト(Gainsight)CCO。カスタマーサクセス、プロフェッショナルサービス、
エデュケーション、テクニカルサポートの各チームを統括している。カスタマーサクセスマネジャーとして同社に入社した当初はカスタマーサクセスマネジャー向けの新規プロセス策定を担当。入社前はマッキンゼー・アンド・カンパニーマーケティング、営業、カスタマー体験のトランスフォーメーションについてのコンサルティングに従事。プライベートでは、ドキュメンタリー映画やニューメディアを通じて差別やいじめの根絶をめざすNPO「ノット・イン・アワ・タウン」のアドバイザーも務める。妻子とともにサンフランシスコ在住。

・ルーベン・ラバゴ(Ruben Rabago)。ゲインサイトのチーフストラテジスト。世界各国でのカンファレンス、CxOサミット、地域別のカスタマーサクセス担当者の交流会、講演など、同社のカスタマーサクセスプログラム「パルス」の技術顧問を務める。世界最大のカスタマーサクセス担当職の教育および資格認定プログラムの後継版である「パルス+」を立ちあげ、複数の大学の関連カリキュラム監修にも携わる。カスタマーサクセス担当職の多様性拡大を目的として、ゲインサイトが立ちあげたコミュニティアウトリーチのリーダーも務める。ゲインサイトの最初のカスタマーサクセスマネジャーのひとりであり、20年以上にわたって、従来型およびSaaSベースの企業向けに、カスタマーチームやプロダクトチームを組織し率いてきた。妻子とともにノース・フェニックス在住。

・(訳者)弘子ラザヴィ。経営コンサルタント。サクセスラボ株式会社代表取締役一橋大学経営大学院修士課程修了。大学3 年次に日本公認会計士二次試験合格。公認会計士として数多くの企業実務に触れたのち、経営コンサルタントに転じる。ボストンコンサルティンググループでは全社変革・企業再生プロジェクトを、シグマクシスではデジタル戦略プロジェクトを多数リード。2017 年、スタンフォード経営大学院の起業家養成プログラムIgnite に参加するためシリコンバレーに在住した時にカスタマーサクセスに出会う。帰国後、サクセスラボ株式会社を設立。シリコンバレーで築いたネットワークを活かし、カスタマーサクセスに本気で取り組む日本企業を支援している。また日本で活躍するビジネスパーソンに向けた情報サイト「Success Japan」の運営などを通じ、カスタマーサクセス市場の活性に努めている。著書『カスタマーサクセスとは何か』(英治出版)。

私の学び

・第3章「あるカスタマーサクセスマネジャーの1 日」で紹介されているアクションの具体例と優先順位付けが分かりやすく、これから取り組んでみようと思っている人にとっ
て非常にありがたいと思います。特に印象に残ったのは「メールチェックより先に自分の予定を確認すること」「顧客とも社内とも価値あるディスカッション、情報共有に時間を費やす」「実装、感情、サポート、プロダクト、企業など様々なリスクのマネジメントを徹底する」「プロダクトのトレーニング」です。
・第5章「カスタマーに共感し関係を構築する方法」で紹介されているカスタマーサクセスマネージャに求められるソフトスキル一覧も、多くの企業にとっては人材要件として役立てられるのではないでしょうか。個人的にはソフトスキルによってもたらすべき最終目的は顧客と信頼関係であり、第一に自己認識を高めるための内省からスタートし、謙虚さ、自惚れをなくすることが重要、という点が自戒の意味も込めて印象的でした。
・第7章以降ではカスタマーを成功へ導くためのアプローチとして、セグメンテーション、カスタマーライフサイクル、サクセスプランニングなどの手法が具体例を交えて紹介されています。これらの作成ケースを参考に自社ビジネスのカスタマーサクセスプランニングを進めるのが次のアクションとして有益そうです。